砂時計のうた
息を吸っては命が生まれて、生きを吐いては命が死んでいた。
なにもおかしくはない、砂時計を逆にしただけ、カウンター越しに向き合う隣人が、いつか木星になるカウントダウン。
いち、に、さん、あなたは、灰色の空気を希望と呼んでいた。それさえも高く打ち上げられるなら、この場所自体がコスモだ。
し、ご、ろく、賽子を高く落としたら、ネズミに食べられてしまうわ。お掃除をしなくちゃ、取り出したつまようじは見えない悪意と同じもの。
なな、はち、く、気付かなくて良いよ、天使だから。ぼくらは心の十字架を律してはいない。埃たちは何年も生きていた。
じゅう。おしまい。砂が全部、落ちきった。