ポエム
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真夜中のうた
雨が、流れている。真っ暗の部屋の中、ただ聴覚だけが頼りだった。
たんたん、さああ、ざっ、とんとん。
かろかろかろかろ、ももも、たん、ぶぅん。
たたたたん、…………、かろ、ざっざざっ、もも、たん。
隣合わせにいればきみの存在がより際立って強くなっていく気がするよ。またわたしは神様にさらわれるのかな。雲の上へ抜けて、人類が肉眼で見たことがない真っ青なそらに供養される。
何度目かの食事。
かちゃかちゃ、ずずっ、がりっ。

光のない部屋で、遊泳だけが進んでいく。
冷蔵庫にあるプリンのことが気になった。
まだ絵を描き終えていない。
闇。
あのひと、わたしのこと苦手だよね。
来週の予定が楽しみだな。
働きたくない。
雨に歌っている。
闇。
本を返しそびれた。
ミュージカル俳優を思う。
闇。
ゲームがしたい。
闇。
なにを考えていたっけ。
闇。
宇宙に呼ばれている。
闇。
闇。
暗。

そうして、沈黙。
21/04/18 11:18更新 / 柚子色



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