陽光のうた
明けない夜は無くて、その朝が希望に満ちているわけじゃない。そういうけれど、わたしは、やさしい光につつまれていたいよ。弱いものだから祈るんだ。次の朝が乳白の光にあふれていて、愛しい手のような風に撫でられて、そういうことを祈っていたい。ずっと。春の幽霊だ。白磁のそらぞらのなかでたったひとつサイダーにもなれない白色でいる。つめたい水で寒いと言えるような朝が、昼が、夜が、そこにいる。ずっと、春の幽霊でいる。ねえ、どうせ起きたら金魚になってるんだから、今ぐらい人間でいさせてください。夜のたわごと。