ひとりのうた
ひとりで生きていく力が欲しかった。隣にあった原石は、またたきのあいだに遠い星になっていて、彼らが遠くへ走ったのか、わたしから遠ざかってしまったのかわからないままだ。触れた肩の感触が変わらなくて、けど確かに違う革の鳴き声。口紅もアイラインもしっかりして、変わった星たちとの距離は、永遠と縮まらないかもしれない。都会の星は見えないから、きっと岩屋の陰に隠れてしまった。
脆弱なわたしは誰かのぬくもりを求めては、嘘の混じる猫なで声に惹かれてしまう。知ってる、その先へ進めば、黒い沼の底だ。毛布なんて本当は必要ないのにあったら嬉しいで命を探すのは良くないことなんだろう。頭と身体が分離して、身体を愛してくれるひとはいるだろうけど、この脳内を受け入れてくれるのはきっと。
なあ、だからわたし、ひとりで生きていく力が欲しかった。