生まれ変わるうた
おはようございます。代り映えのない一日の幕開け。
冷えたスマートフォンで時間を確認して、カーテンから日の光を浴びて、冷たい廊下をぺちぺち、軽いドアの先へと進む。椅子に腰掛けて、ポットの中身を確認して、からからだと気付いたからやかんを取り出す。水を入れて火をつけて、何となくテレビをつけてみる。お天気のお姉さんが身を震わせて、今日も寒いですね、と笑っていた。その笑顔がなんだかかわいかったのに、やかんが無視しないでと怒るので慌てて向かう。面倒臭くなってやかんから直接マグカップにお湯を注いで、適当に選んだティーバッグを漬け込む。ふんわりと香りきれいな深紅に自分の顔が映って、見慣れてるはずなのに別人だ。取り出した小皿にティーバッグを移して、さむいさむいとマグカップに触れた。
あと10分したらさめるだろう。
そうしてカレンダーに花丸がついているのを見てしまう。今日の日付を指していて、ニコちゃんマークを書いている。ばからしい。ふふっと笑って自分も書き込んだ。
「今日は私の誕生日!!私が主役!!」