ポエム
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優しさのうた

誰かの優しさはぎゅっと筆箱に詰められている。開いても、取り出さない限り変わることない真夜中でした、星なんて、街頭なんて、所詮は眠ったときに見る現実なのかもね。落下していけば無理にでも見えるけど、それは偽物だよ、騙されてはダメだ。空っぽの布切れで、あるいは革で、あるいは箱は、何の役に立つのかな。息を止めるときに使うんだよ。

氷水を出していた足元。排水溝が息をしなくなってから数日間、そこはネオンが落ちる墓場だった。死人がもし、悔い改めるなら、生きていたことを悔やむんだろうな。ここでは何人も死んでいるから、筆箱に詰め込まれてしまう、混ぜられた濁流と共にチャックは閉められる。それを、ただただ後悔として見届けてしまうぼくらの名前。
19/04/05 13:22更新 / 柚子色



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