ポエム
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もしものうた

例えば。
精神が曖昧な時に、人間関係が破片のように刺さって、それから社会の波が襲ってきたとします。そしたら、私は泣いてしまう。言語化できない苦しさと、処理できない自分の弱さ。認められるのは結局少しの間だけなのだと痛感しますね。
零れる涙を通りすがる人に見て欲しくなくて、ずっとずっと歩く煉瓦を見つめている。そもそもごく普通の顔なんて誰が見るわけでもないのに。赤ん坊の頃は、泣くのが当たり前なのに。
例えば。
精神が元気な時に、人間関係が霧のように消えちゃって、それから世間の渦を乗り越えたとします。そしたら、私は泣いてしまう。言語化できない喜びと、すべてができた自分の強さ。認められるのは結局その時だけなのだと痛感しますね。
慰みが欲しい訳じゃなくてただ自分の状態を知って貰うのは、とてもとても難しい。悲しいから泣いてるとか、嬉しいから笑ってるとかそうじゃない。ただ、やるせないんだよ。
世界で一番自分が悪い子なのを知っているから、欠片の良心がいつだって涙を流している。思ってた言葉はすんなりと口に出せる。それから、文字にも表せる。言葉という形。透明な形。

私は不器用だから、形を作れないでいるのだ。


19/12/17 14:09更新 / 柚子色



談話室



■作者メッセージ
長いね。

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