ステップのうた
アン、ドゥ、トロワ。
ちょっとした私怨を燃やすあなたも、摩訶不思議に没頭するあたしも、いつも不可解なステップを踏んでいる。床が氷だということも気付かずに、タンタタンと流れ出すリズムは、何処か危険で、なにものにも変えがたい透明だった。純粋なんて、ものさしでしかないのに。いつかあなたと融け合える日が来たなら、氷が燃えて、世界が終わる。あなたを、愛することができるのだ。
インスピレーションは死ぬことを恐れていない。あたしを覆う被膜が、アメーバみたいに伸びていく様が延々と繰り返される。大きくなったらなにになりたいなんて夢物語、ずっとずっとあたしに聞かせてよ。それがあたしの糧になるので、それが一億人の魂に触れる言葉になるので。しなないから、永遠なんです。あなたが歌う生も、あたしが溢す息も、すべてが始まりで、すべてがおわりなんです。