しのうた
わたしのしは最も当たり前なのに、あなたのしはどうしてこんなにも、こんなにも尊く、清らかなものなのだろう。嘘が嘘とならない世界で、何千回のしを迎え描くのだろう、わたし。透明な人たちがくぐる千本の鳥居を、あなたは見えていたり、なかったりするのですか。教えて、ママ。
ししゃの国があるらしい。とても遠く遠く、さよならも言えない場所にあるそこは、誰かが形容した楽園なのかな。そこでワルツを一緒に踊りましょう。くるくる、くるくる、メリィゴーランドのように沢山沢山踊りましょう。お客人である貴方は歓迎されるから、良かったね、笑ったわたしの顔は可愛いですか?
しと隣同士で座って沢山お喋りをしました。姿形を変えたそれは、きっと綺麗に、それこそあなたのように笑っていました。ニッコリと。手をぎゅっと繋いで、あなたの体温に驚いて、少しの間おやすみなさい。夢の中へ、泳いでいこうか。