金魚のうた
少女たちの笑い声、駆け上がる階段、真夜中の秘密、閉じ込める400の命、宝石箱の空、煌めく水面、解放の、瞬間。
罪はいとおしいとそういうけれど、まったくその通りだと思った。月が浮かぶ鏡面に流し込んだ400の宝石。いつか死んだ命が星になるのだと誰かが言った。少女たちはただ、感情のなかに生きている。たくさんの感傷のなかで、短い生を謳歌している。紺色のスカートを翻し、夜風がぬるいねとこぼして、最大限に生きていた。
少女たちが今どうしてるか何てわからないけれど、事実として残された記録書、それは果ての夜まで残される。どうかどうか、感情を忘れないで。その罪は、美しいことを、忘れないで。