会いに行くうた
たくさんの言葉があるように、たくさんの人が在るように、たくさんの歌が有るように、たくさんのぼくらがいるように。飽和状態の地球をくるくる回して、いつか世界は滅びますなんて予言しちゃって、難しいなあ生きるって、呟いちゃったりしています。立ち返り振り返り、ぼくはなんのために言葉を遺すのだろうと考えました。死んだあとこれを読んだ誰かがなにを思うのかわかりませんでした。たくさんの言葉があるように、たくさんの心があるせいでわからないことが世界を覆い尽くして埋め尽くして、地球をどこかへ持っていっちゃうのでしょう。遠い遠い果ての先へ、銀河もブラックホールも越えた先へ、天国も地獄も概念も通り抜けた先へ、そしてようやく再会できるもう一人のぼく。やあこんにちは、そっちのぼくは元気ですか?そっちの母さんは?父さんは?お兄ちゃんは?お姉ちゃんは?弟は?妹は?一通り質問して帰ってきた答えはたったこれだけ。
「早く起きなさい」
目覚ましと怒声が鳴っていた。