霧のうた
霧みたいな人だ、きみは。漠然とそう思う、わたしの寂しさを紛らわすためだけに現れたみたいだ、メシア。
どうせならいつまでも雨が降って、ずっときみが存在してるようにして欲しかったよ。きみとわたしは近いけど、ずっと別の存在、片割れなんかじゃないんだ、変なの。やがて晴れて、青くなって、きみが薄くなっていく。生きも吸えない悲しさが、ここには佇んでいる。
銀河がわたしを抱擁して、静かに息を引き取ります。おやすみ。何も言わぬのならわたしは溶けて水になるのかな、ならようやく、あなたと同じになれるんだね。そっと笑った表情筋は、動いてたかどうかなんて知らないけれど。