線のうた
わたしとあなたの間には生涯理解し会えないくるしみが横たわっています。境界線だ。この線があるから、わたしとあなたは区別される。差別される。分けられてしまう。ひとつのものだった食パンが切り離されて、まとめられて売られている。わたしとあなたってそんな感じ。大分近いけど、別のいきもの。やーいばけもの。
心臓がないものに息をあげたかった。でも、心臓がないので動きはしません。なら単細胞になったら生きられるよ。誰もしなずに、誰もいきずに、これとない幸せの孤島だ。そうしたら犠牲が蔓延る天国だ。みんなが天使になっていく。海の底から、見届けるよ、白亜が飛んでく果てへの階段。いってらっしゃい。