永いうた
永遠、永劫、永久。口約束はただの言葉でしかないのに、愛してるなんてうたいながら永い時を誓います。憧れない訳じゃない、腐っても女の子なので。空気と白色が縫い込まれるレースの先を見ることが好きなのです。見えるようで見えていない真実が、現実が。隣の芝生は青いと言ったものを称賛しよう。
未来永劫息続けるとしたらまずはなにをしようか。
世界一周でもしよう、わたし、神様に近い場所へ行きたいわ。そうしてお願いするの、「この世界すべてを永遠にして」と。そうしたら時が止まって、あなたは成長しなくなって、世界も破壊されなくなって。そんなことするから空想家は筆を置いてしまう。共感の術を亡くし、多分、永遠の対価なんだろう。
人工の音が流れて、薄くなる酸素が内蔵を潰した。誰かの後ろ姿を見て枝毛、なんて笑っていられない。欲しかったのは延々じゃなくて永遠だった。一万字になったこのうたも、数字があるなら永遠じゃない。人の思考回路を可視化して、延々と見て、何が面白いの?多分、感性の延命。不必要だけど、大事だね。
雨はやみます、いつの日か。筆も止まります、延々と。望まれた永遠は永い訳じゃなくて、一瞬を引き伸ばした不良品の刹那なんだね。