最終理想のうた
最期の地を思い出していた。たくさんの命が宝石となって、ぼくらを責めるように佇んでいた場所へ、夜と朝と心の闇が混ざりあった空へ。そうか、ぼくは死ぬのか。
対岸のきみは微笑んでいる、たった一枚の壁が、ぼくらの心だった。手を振って「きみの望む場所へ」と言った。列車が暴れる。ガタガタと鳴り出した。ジリジリと責め立てる。きみが「わすれないで」と言った。骨がぶつかる音がする。心が割れた。幽霊が鼓膜を破る。いのちが消える声がする。「わすれないで」と言った。あさの矢が目を刺す。天使のファンファーレ。「わすれないで」と言った。食い潰す感触がする。「わすれないで」と言った。「わすれないで」と言った。
「わすれないで」と言った。
すべてが元通りの夢の中で、自分の罪を、心臓に縫い付けた。
おはよう。きみだけがいない、最終理想の世界。
対岸のきみは微笑んでいる、たった一枚の壁が、ぼくらの心だった。手を振って「きみの望む場所へ」と言った。列車が暴れる。ガタガタと鳴り出した。ジリジリと責め立てる。きみが「わすれないで」と言った。骨がぶつかる音がする。心が割れた。幽霊が鼓膜を破る。いのちが消える声がする。「わすれないで」と言った。あさの矢が目を刺す。天使のファンファーレ。「わすれないで」と言った。食い潰す感触がする。「わすれないで」と言った。「わすれないで」と言った。
「わすれないで」と言った。
すべてが元通りの夢の中で、自分の罪を、心臓に縫い付けた。
おはよう。きみだけがいない、最終理想の世界。