今日の日にちになにかある
7月24日で思い出す
それはあなたの誕生日
わたしの生まれた日は河童忌よ
芥川が死んだ日なの
初めてあなたと会ったとき
そんなことを言っていた
それから同棲するようになり
あなたのためにその日には
腕をふるって大好きなザッハトルテを作ったり
異国の地ではソフィアのホステルでみんなから祝福を
貧しい二人だったから指輪のひとつも買ってはやれず
いいのそれでも一緒にいたら
そんな会話もいまは遠く
あなたはどこでどうしていることか
芥川のように精神を病んで
病院には通っているだろうか
それとも一人に戻り憔悴しきって
おかしくなっていまいかと

電話はブロック
もう何年も会ってもいない
あれほど一緒に海外放浪もしたのに
たまにそのブログを読んで写真も眺め
懐かしんでいる

どれ今日はきゅうりを買ってきて
河童丼でも作ろうか
あなたはいくつになったのか
わたしからひと廻りも下だけど
まだ若く美しいだろう

たまには電話もしてみるが
おかけになった電話は
お客様の都合によりお繋ぎできません
そんな自動音声が流れる
生きているのか死んでいるのか
死にたいと泣いたときもあった
自殺なんかするなよ
それだけを確かめたいのに
あたなはどこにいる