あいつも死んだ
こいつも死んだ
いとも簡単にやってのけた
ほんとうにそんなに死ぬのは容易いのか
生きるのが難しいか
この半年で親友三人が立て続けに亡くなれば
生き残っているわたしはなんなのだ

それから…
仲間の女史から手紙が届いた
あなたはみんなの分を生きるの
それは命令形
それは義務
みんなの無念を一途に負う
ギガを家族で分け合うように
いのちもまたそうして仲のいいものたちが
残して繋いでわたしに使えとか
みんなみんないなくなり
生き続ける意味を問うとき
その手紙は辛辣に突き放す
三人分を長生きして
みんなの分まで生きるというより
三人の思い出を背負って
生きていた証言を書きなさい
それが残された者らの使命とばかり

そうなのかそうだな
わたしの胸で生き続けているみんなの
語り部になって書くということの供養
それがこれからのわたしの仕事になる
長生きするということはそういうことなのか
戦争でも現代でも同じこと
三人をよく知るわたしだから
彼らの遺書をこれからは代筆できるのだ
それまで待っていろよな
書いて書いていのちを綴ってやるからな