ポエム
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味読
味読という言葉を知った
試し読みではなく味わって読むこと
そんな本に出会いたい
美味しそうなじっくりと噛んで舐めて
味わって噛みしめる本はないか
千冊読んで一冊あるかどうか
本との出会いは人との出会いほどに
確率は低い
これだと当たるのは宝くじのよう
目からうろこどころか
目玉も落ちるくらいの衝撃はないか
人生で座右の銘ならぬ本というのは
なかなかないものだ
わたしも傍に置いておきたい本はない
いつも肌身離さず持ち歩く本もない
結婚したいような本もいまだにない
もしそんな本と巡り合ってしまったら
さっそく市役所に婚姻届を出しにゆこう
いまや誰でもいいようだから
そうしたら本を抱きしめて
ハネムーンに出かけよう
どうにもならなくなったら
きっと食べてしまうかもしれない
焼いたり蒸したりはしないで
生のまま齧る
山羊のようにバクバクと
サラダ感覚でいただこう
大好きな本はどんな味がするだろう
24/07/06 07:16更新 / キム ヒロ



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