公園ではいつも孫と鬼ごっこ
樹に向かって手で顔を隠し
もういいかい
まあだだよ
ちらりと指の隙間から孫が隠れるところを見る
もういいよ
どれ　どこに隠れたかなと
その方角に惚けたふりしてそっと近づく
廻りこんで後ろからワー
見ーつけた

今度はぼくが鬼だよ
孫のすぐ後ろに隠れる
灯台下暗し
もういいよ
いないいないと孫は遠くに走る
あれあれあんな遠くまで

この世はいつも鬼ごっこ
誰かが鬼になり
誰かが逃げて隠れる
捕まったら鬼になる
見えない自分はどこにいる
鬼に見つかったら食べられる
喰うか喰われるか
熾烈な追いかけっこ
生存競争は慈悲もない