ポエム
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104歳の母に
数えで誕生日に104歳になる母
どんどんと一族の記録を一人更新中
死ぬ気がしないよとのたもうた
死ぬのも忘れて長生きしている
その遺伝子をわれわれももらっている
人生百年時代は嘘ではない
その母にプレゼントは何を贈ろうか
息子はいま車で仕事がてら青森に向かっている
それでネットでプレゼントを送るよりはと
息子に頼む
福島にいるならママドールか薄皮まんじゅう
仙台にいるならずんだ餅
わたしの代わりにそれを持って行け
一週間の長い東北行商で
一番最後に青森で墓参りと老人施設に顔を出すとか
いつ逝ってしまうかと姉妹たちも心づもり
年だからいつでも駆けつける
それでも生きている間は顔も拝みたいと
何度も帰省した
骨皮でそれでも頭はしゃんとして
食べられるものは食べると矍鑠
寝た切りに近いがそれでも津軽のからきずな性格で
生きているのは
枯れても倒れない強い樹のようだ
たまにケータイから電話もくる
目も耳も遠いのに
何か話している声がする
おまえの声を聞きたくなったと
一人息子だから妹は兄ちゃんファーストと
わたしの声を聞けば元気になるとか
11月の末になると行くからな
それまで生きていろよ
いまはとても忙しく出られない
息子がその代わり仕事ついでに会いにゆく
青森も寒くなり紅葉も進む
11月となれば雪か

遠くからいつも思っている
母のこと
25/10/14 06:50更新 / キム ヒロ

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