ポエム
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エクリチュール病
なぜ書くのか
手が止まらない
わたしの意志とは無関係に
手が勝手にキーボードを叩く
頭にいっぱいになった
詰め込まれた活字や画像など
吐き出さなければ
思考停止に追い込まれる
だからせっせとそれらの記録を書き出しては
クリーンアップして掃除しないと
キャパがいっぱい
もう限界だった
そのために書いては消して
頭を空っぽにする
本も脅迫されるように読んでは
何かひとつでも発見したら
それを書き留める
思い出も忘れないうちに
書いて書いて残しておきたいと
追い立てられるようにして
わたしの書くという病は
死ぬまで治らない
きっと前頭葉の皺が
記憶として習慣として深く刻まれて
わたしは自動記述のロボットのように
動いている

誰か女流作家がいみじくも言った
書いて書いて死ねばいいんですと

老後の日々は
書くという作業で忙しい
動かなくなるまで疾走している自分
死の間際まできっと
指は文字をなぞっているだろう
死んだ親父のそのように

24/11/12 06:10更新 / キム ヒロ



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