山嗤う 春に哭く
確率25%の死
70歳過ぎたら四人の一人は死ぬとか
確かに周囲では次々に斃れている
みんな突然死ぬ
ふるさとに帰るのはいつも葬式
喪服着てゆく帰郷はもうたくさんだ
香典に数珠
供物に花と弔電と
そればかりじゃないか
新幹線は東北を走る
桜前線を北上する
どこかしこ白と桃色の花が見え
桜も満開なら辛夷もか
新芽も出て賑やかに
山笑う
なのにどうだこの春は
暗いってものじゃない
残酷な春じゃないか
電話がくるたびに
誰か死んだか
今度は誰だと
そればかり
車窓に過ぎる岩手の山々
トンネルをいくつも抜けると
やがて青森
花見客で混んでいる満席に
ひとり沈んでいる
70歳過ぎたら四人の一人は死ぬとか
確かに周囲では次々に斃れている
みんな突然死ぬ
ふるさとに帰るのはいつも葬式
喪服着てゆく帰郷はもうたくさんだ
香典に数珠
供物に花と弔電と
そればかりじゃないか
新幹線は東北を走る
桜前線を北上する
どこかしこ白と桃色の花が見え
桜も満開なら辛夷もか
新芽も出て賑やかに
山笑う
なのにどうだこの春は
暗いってものじゃない
残酷な春じゃないか
電話がくるたびに
誰か死んだか
今度は誰だと
そればかり
車窓に過ぎる岩手の山々
トンネルをいくつも抜けると
やがて青森
花見客で混んでいる満席に
ひとり沈んでいる