ポエム
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総武線
あれはたった三年半前のこと
千葉で暮らしていたのが
いまは遠い異国の話に思えるほど
わたしは忙しすぎた
東京に出るのさえままならないほど
ともかく走って走って前が見えない
後ろを振り向く暇もない
そんなときにお呼びがかかり
千葉の従兄たちと食事会と
久々に総武線に乗る
君津行か
それはどれも海に行く
いまは神奈川で都心を越えて行くのが
途轍もなく遠く思える
亀戸の義姉も来る
新小岩には長男が暮らしていた
市川の義兄が今日は料亭を予約した
その先の船橋 津田沼とアナウンスも
そうだそこで途中下車して
買い物なんかしていたな

わたしの好きな下町の錦糸町で降りて
駅前のスカイツリーが見えるマックで
いまこれを書いている
通勤していたときは夜勤の仕事帰りに
ここに寄って朝のコーヒーと創作
本も読んだ窓辺からは
駅前広場と総武線が通る景色

わたしはどこに行くのか
いまも旅の途上のように
揺れ動き定まらない
従兄姉たちは言う
人生の半分は動かなかったと
それなのにわたしときたら
二年に一度は引っ越しで
新しい街で暮らしている
いま どこにいるの? と
メールがよく来ていた
風来坊だから糸の切れた凧
どこへでも飛んでゆく
それでもたまには総武線で
みんなに会いに来るから
気楽な老後を笑う
従兄は老人ホームに入ることを考えて
エンディングノートも書いていた
なのにわたしはまだまだ
遊びは現役でこれからも
24/10/06 01:08更新 / キム ヒロ



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