世の中が乱れると人心も乱れる
わたしの部屋は玩具で乱れ
家の中はモノで溢れている
捨てられない人ばかりで
欲望の残滓に呑まれないように
部屋で泳いで溺れまいと
隙間で暮らす無様
すっかりと子供らも病気で
ほしがり病
その挙句の果てがこれだ
整理がつかない
いやつけられない
どこにも持ってゆけない
捨てろと言っても大事なもの
使わなくても持っていたいコレクション
それで生活は脅かされて
どうにもならない
モノをなくしてゆくわたしと
モノをこれから集める孫たちと
共に生活はできない
まして狭い賃貸では
物理的許容量が足りない
息子にも言ってある知足安分
まだ若いからそんな境地にはなれない
まだまだ消費地獄の酒池肉林
金がないくせに
借金までしても買いたいか
どうするのだこの家財生活日用品
ボールペンが五十本
水筒が二十本
食器は二十人分
五人家族でモノは多すぎる
そこであっぷあっぷともがいている
部屋は完全に征服されて
人間の立錐の余地がない
老後のこれが安住の地なのか
助けてくれ
ここから救い出してくれ