ポエム
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フィルム
公園のベンチに座り、僕は耳から薬を流し込む作業をしていた

三半規管に染み込んだ薬は、さらに脳へと染み込み、こびり付いたヤニを溶かす

大袈裟に呼吸をして、気体となったヤニを辺りに撒き散らす

公園の滑り台とブランコ、色あせたゾウの遊具、半分埋まったタイヤたちが茶色く汚い結晶を纏っていく

「とっても綺麗だろう」

「でも、それはすぐに元に戻っちゃう。無かったことにされちゃう。あなたはこの街には浄化システムが備わっていることを知らないわけじゃないでしょ」

「分かってる。だからフィルムに収める。子供たちが来るまでがタイムリミットだ。準備を始めよう」

「うん……」

君のワンピースが汚れる

気が付くと僕は薄汚いフィルムを握っていたが、小さな水路に投げ捨てた

願わくば、海の見える家に住む老婆の元へ





19/05/31 12:07更新 / ろあ2ごう



談話室



■作者メッセージ
ただの文章垂れ流しです。ごめんなさい。

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