ポエム
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サキソフォンの悲鳴
夜汽車が暗闇の中を速い獲物のように突っ走って行く
獰猛でプロフィールの美しい
男は都会に吠える 政治に吠える

均整のとれた美しい女は
青白くネオンに輝く
肉眼では捉えられない速さで何かが蠢いている

摩天楼は詩的にかたむき
マッチ箱のようになる 
サキソフォンの悲鳴がラジオから聴こえる

現代の都会育ちの少女は愛すれば愛するほど
愛の広がりを小さな胸に感じている

カクテルの中のさくらんぼが
哀愁を織り交ぜたように醸し出す
少女は愛について深く考え
愛は育てるものだと知る
愛はもだえ息づいているものだと知る

一つの梨は過去に悲しい荒野にさすらい
二つめの梨は今日に精一杯もられ
三つめの梨は何かに追われ未来の汗を呼ぶ

少女は別れ際に大粒の涙をポロポロ流す
プ-ルサイドで見つけた恋に別れを告げる

摩天楼にある52階のバーのフロアでは
男女がけだるく踊っている
24/12/16 17:06更新 / 平尾 直久



談話室

■作者メッセージ
山口県出身 法政大学卒

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