ポエム
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山の手ホテル
蘇鉄が立つ異国の庭 熱い連想がわく
どれほどの優しさと愛想のよさを捧げるため奥深い
感情は常に沈黙とって現れる血潮と静かに
流れる川おだやかな旋律
隠し立てはいけませんわ なぜか遠くで
海鳴りの音が耳の中でざわめく

愛を確かめあつた白いペンキの海のホテル
岸辺の灯がマリンタワーに輝いたのがわかる
外人墓地に遠くの明かりが哀愁の影を葬ろうとしている
 
強い風が吹く君や君の町との出会い君の肌は前夜
のような暖かみを取り戻しはしなかった母音が
風船のように登ってゆく過ぎた苦悶を数え上げて
嘆いた時間にまぎれて犠牲の山羊が何匹か出てくる

灯台の光がきらきらと輝く横浜の港
群青の港に外国航路に出港する船が停泊し
異国の地にさすらうような寂しさが港を
故郷に変えてゆく二人 路辺の石に永遠を見るように
二人の手のひらに互いの未来を見つける

大空に一つ結ばれた二枚貝のように睦まじく
指先から感じる情愛
山下公園の花壇に咲くチューリップが海の中に
溺れ 君のやさしい気持が花になる
25/10/02 19:41更新 / 平尾 直久

■作者メッセージ
ここまで読んでくれてありがとう。

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