ポエム
[TOP]
巴里
驕慢な貴婦人の首飾り
大陸の優雅な叙情

何もかも飲みつくす
猥雑なる娼婦

緋色の下着と黒いストッキングを衣装の下に
隠して誘う
巴里の娼婦

私はとまどい
君の美しさに見惚れて
立ち止まるだけ
雨がふる小さな路地裏に咲く
歴史の石畳に
ガス灯は憑かれた月の幻が

夜のシテに
霧雨は憂愁に煙り
夜曲が媚薬のように
肉の中にながれ
ヤギの目を使った大人の戯れは
むなしく
一抹の泡のように消えた欲望のようだ

ありとあらゆる芸術家が謡い描いたが
言い尽くせなかった個性
巴里よ
淫蕩なる巴里がまた私を呼んでいる
甘い言葉が私をよわす

偉大なる理性と
怪奇な感情が混ぜ合わさって出来た
大いなるシテよ
私はもう一度抱きしめに行きたい
25/09/05 18:57更新 / 平尾 直久

■作者メッセージ
法政大学卒

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c