ポエム
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微風
耳を澄ましてごらん
微かな風が季節を探している
見守っている
秋の空はほんとうに青く澄んでいる
東の方へ行く風が身体に心地良い

湿っぽい暑さがまだ残り 窓を開けで
涼を得ようとする時
通りの背の低い銀杏の葉は
風に震え 心細くそよいでいる
秋風たちよ ゆたかに取り囲んでくれ
微風は歌を待っている 約束した時間に
あえぐ額に汗が吹き付けてくる

夜の乾いた風が何かを告げようと急いで吹く
社会で摩擦するすべてのものに
砂たちが騒いで舞い上がる

こだましたその歌に
瞳はそのおかげで夜の中で目覚める

あなたと私はきっと歌を長く待っていた
二人には行方がわからなかったけれど
微風と一緒に共鳴する時
その歌のほんとうの意味がわかる時にちがいない

小さな町に歌が響く
きっと良い歌が微風に吹かれて
25/08/29 21:05更新 / 平尾 直久

■作者メッセージ
法政大学卒

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