散文
声がする
叫んでいる
白い河原のような場所
汚れた裸足を気にもせず
喚き散らして
ふと黙って
足もとの削られた石を見ているのか
うつむき
髪が揺れるのは風のせいか
目にかかる黒を払うかのように
顔を上げ中空を
見つめたと思った目は
真っ直ぐにこちらを見ていた
そして
再び喚き始める
なんとかしろと責めるように
言葉を投げつけてくる
密林に咲く花の色を
海底を漂う魚の声を
彼方へ渡る鳥たちの鼓動を
おのれの魂の在処を
示せ
伝えろ
なぜ出来ないのかと叫ぶ声が
心の真ん中で泣きわめいている