ポエム
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お兄ちゃんとぼく
ぼくが産まれたときもうお兄ちゃんはそこにいた
だからぼくたちはいつも一緒だった
同じ保育園に行きそろってみずぼうそうになった
二人で落書きをして一緒に怒られた
お兄ちゃんが幼稚園にあがると
ぼくも後から同じ幼稚園にあがった
お兄ちゃんが小学校にあがると
ぼくも後から同じ小学校にあがった
お兄ちゃんがいるからこわくなかった
ぼくたちの世界はぴったり重なっていた

お兄ちゃんが中学校にあがり
お父さんもお母さんも
ぼくが同じ中学校にあがると思っていたけれど
ぼくはひそかにお兄ちゃんとちがう学校に行くことに決めた
お兄ちゃんとちがう制服を着て
お兄ちゃんとちがう道を歩いて
ぼくのことを知っている人が誰もいない学校に行く
ぼくたちの世界は別々になっていく
それは少しどきどきしてきっとわくわくすること

だんだんぼくたちは離れていって
何一つ同じ所のない毎日を送るようになるのかもしれないけど
こわくないよ
お兄ちゃんがいるからね
18/04/17 20:33更新 / ゆきえ



談話室



■作者メッセージ
初めて投稿します。よろしくお願い致します。
この春、次男が長男と違う中学に進みました。
双子のように育ってきたのに、ここからそれぞれに別れていくのだと思って書きました。

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