お兄ちゃんとぼく
ぼくが産まれたときもうお兄ちゃんはそこにいた
だからぼくたちはいつも一緒だった
同じ保育園に行きそろってみずぼうそうになった
二人で落書きをして一緒に怒られた
お兄ちゃんが幼稚園にあがると
ぼくも後から同じ幼稚園にあがった
お兄ちゃんが小学校にあがると
ぼくも後から同じ小学校にあがった
お兄ちゃんがいるからこわくなかった
ぼくたちの世界はぴったり重なっていた
お兄ちゃんが中学校にあがり
お父さんもお母さんも
ぼくが同じ中学校にあがると思っていたけれど
ぼくはひそかにお兄ちゃんとちがう学校に行くことに決めた
お兄ちゃんとちがう制服を着て
お兄ちゃんとちがう道を歩いて
ぼくのことを知っている人が誰もいない学校に行く
ぼくたちの世界は別々になっていく
それは少しどきどきしてきっとわくわくすること
だんだんぼくたちは離れていって
何一つ同じ所のない毎日を送るようになるのかもしれないけど
こわくないよ
お兄ちゃんがいるからね
だからぼくたちはいつも一緒だった
同じ保育園に行きそろってみずぼうそうになった
二人で落書きをして一緒に怒られた
お兄ちゃんが幼稚園にあがると
ぼくも後から同じ幼稚園にあがった
お兄ちゃんが小学校にあがると
ぼくも後から同じ小学校にあがった
お兄ちゃんがいるからこわくなかった
ぼくたちの世界はぴったり重なっていた
お兄ちゃんが中学校にあがり
お父さんもお母さんも
ぼくが同じ中学校にあがると思っていたけれど
ぼくはひそかにお兄ちゃんとちがう学校に行くことに決めた
お兄ちゃんとちがう制服を着て
お兄ちゃんとちがう道を歩いて
ぼくのことを知っている人が誰もいない学校に行く
ぼくたちの世界は別々になっていく
それは少しどきどきしてきっとわくわくすること
だんだんぼくたちは離れていって
何一つ同じ所のない毎日を送るようになるのかもしれないけど
こわくないよ
お兄ちゃんがいるからね