ポエム
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高度一万メートル
落ちることにした
スカイダイビングである
ぴょんと飛べば、するりと地面がなくなった
あれよと言う間に真っ逆さま
ごうごうと風が唸る
周りじゅうの空が青くて
世界が広く見えて
綺麗だなあ、と見惚れていた
パラシュートは背中にある
高度もまだ大丈夫
まだ大丈夫
この景色をずっと眺めていたい
地面が近づく
空が狭まる
もうパラシュートを開くべきか?
いいや、まだ大丈夫
まだ大丈夫
道が見える
車が忙しなく動き回っている
何人かが私に気付いて指をさした
高層ビルを横目に、ぐんぐん地面が近づいてくる
ふとビルの窓を見ると、私を羨む視線と目が合った
私は笑ってみせた
羨む視線が遥か上に消えていく
くるりと地面に背を向けて
今まで落ちてきた空を見上げる
随分と、高いところにいたんだなあ
ああ
勘違いしていたけれど
パラシュートなんか、持っていなかった
とうとう地面に着地する
どすんと尻から落ちたので
涙が出るほど痛かった
大の字になって見上げる空は、どこまでも高い
よし、と立ち上がり
土に塗れた尻を叩く
今度はどこまで上がろうか
どこから上がろうか
空に憧れて歩き出した
21/07/17 15:54更新 / 夢如



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