プラスチック・スライム
会社からでてすぐの道にプラスチックコーンの破片が散っていた。私がその破片を見つめていると、破片たちは溶けてプラスチック・スライムになった。4体のプラスチック・スライムは私に思念伝達をしてきた。閣下、私たちにご命令を、と。私は周囲を見渡したが、このプラスチック・スライムたちが見えているのは、私だけだと分かった。私はとうとう精神を病んでしまったかと思って、今朝上司に理不尽な叱られ方をされたのを思いだしてそのせいだと断定した。私はこれから帰るのだ、スーパーによってお酒でも買ってしまおう。私は歩いて駅の方に向かったが、スライムたちが付いてくる。1体のスライムが進言する。閣下、その上司を今夜始末して措きましょうか、と。私はスライムが上司の気管支に詰まって呼吸不全で亡くなる様子を想像してにやけてしまったが、上司がこのような死に方をするのはかわいそうではあるし、上司が突然欠員してしまえば仕事が一時的に増えるかもしれないと思って駄目だと思った。進言したスライムは心なしか残念そうな感じを漂わせていた。私はスライムたちに何か命令してあげようと思って日ごろの欲求不満の解消もかねて、もし電車内にイケメンがいたらそのイケメンの局部を刺激するように命令しようと思った。