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男であることが嫌いだった

私は

男であることが嫌いだった

自分の中にある、性的欲求

これが、たまらなく気持ち悪かった



きっかけは単純だった

友達が嫌がる彼女へ、性行為を強くせがんだ話を聴いた時

ゲイだった友達から、無理矢理に強姦紛いのことをされた時

そして、それらの感情が

自分の中にも内在していると知った時



性的欲求の矛先が

女性であろうが

男性であろうが

その欲求そのものが

私には悪であると感じた

なぜなら、その欲求があるせいで

いろんな人が苦しめられているのだから



だから私は

男でも女でもない

中間の性でありたかった

苦しみから逃げたかった

性のしがらみから、解かれたかった




しかし、それは

生命そのものの否定と

何ら変わらない行為だった




いろんな動物たちが

雄と雌に分かれて

そこから繁殖し

命をつないでいる

人間も、それは変わらない

性を否定することは

この、命の繋がりを否定すること

生命の有り方を否定すること

人間も、所詮は一匹の獣

どんなに思考が達者になろうとも

息をし、心臓が脈打つ動物である限り

その事実は不変だ



私は

一匹の雄であること

この性の苦しみを背負って、生きること

そして、命を繋ぐこと

それが男である

私の宿命です




20/08/24 06:49更新 / すっとこどっこい



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