おれとお前

一対一の

一度しかできない勝負

下手な小細工はいらねえ

無粋な景品もいらねえ

必要なのは、自分自身だけ

おれが、おれらしくあること

お前が、お前らしくあること

それで充分だ

ああ

そんな勝負なら

おれは、負けてもいい

己の全てを出し切ったなら

煮えたぎるほどの、血潮を感じられたなら

血へどを吐いて、無様に負けても

一向に構わねえ

勝った負けたとか

損か得かなんて

後から周りが決めればいい

おれは、おれであることを

最後まで貫くだけだ

自分を焼くほどの熱を感じて

お前とぶつかり合えるなら

これほど嬉しいこたあねえよ



よし

じゃあ、準備はいいか？

手を抜くなよ？

命を燃やすほどの

勝負をしようぜ

■作者メッセージ
私は『あしたのジョー』が本当に好きで、ジョーの生き方にすごく憧れるんです。

だから、勝負事の時は、彼のような気持ちで望みました。

勝った負けたなんて、どうだっていい。ただ、心の底から燃えていれば……

そんな熱い気持ちを、最近久しく忘れてしまっていたので、思い出すためにこの詩を書きました。