イカロスの瞳
少年は
日の光に殺された
空を舞うのに
胸を弾ませて
燃える星に近づいた
遥かな空からまっ逆さま
海と空の青さに溶けて
悲しき少年
消え去った
少年よ
その瞳
お前の無邪気なその瞳には
何が映ったのだろうか?
死ぬことへの恐怖か?
愚かな自分への嘆きか?
忠告を守れなかった父への懺悔か?
それとも
果てしなく
美しい空だったのか?
透明な青が
お前の瞳を濡らしていたのか
遥かな自由が
お前を抱いていたのか
それは
死ぬ間際の絶景
彼にしか見られぬ
彼にしか得られぬ
イカロスの瞳
お前だけの風景