ポエム
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銀杏のおばあちゃん

とある公園のベンチで

一人ぽつんと、老婆が座っていた

背中を丸めて

じっと、手元を見ている




あったのは、銀杏の葉




辺りに銀杏の樹は見当たらないから、おそらくどこからか拾ってきたのだろう

だんだんと日が落ちてきて肌寒くなってきているのに、老婆はそこからいっこうに動こうとしない


なあ、おばあちゃん

あんたそんなに、銀杏が好きかい?

まあ、そこまで嬉しそうな顔をしてるってことは

きっとそういうことなんだろう?

うん

そうだな

綺麗だな、その葉

まあなんだ

あんたがどんな人生だったかとか

どんな人間だとかは、俺はひとつも知らねえよ

だけど

今、あんたが幸せなんだろうなってことだけは

俺にも分かったよ


また、来年もおばあちゃんが

銀杏の葉を、見れたらいいな



20/09/28 15:11更新 / すっとこどっこい



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