俺はアングラだ!
アングラ
アンダーグラウンド
under ground
そう、俺の作品は
決してメジャーにはなれない
明らかに万人受けではない
基本的に人から好かれない
だいたいみんなに怖がられる
もしくは気持ち悪がられる
アングラに美学を見いだす俺としては
いささか寂しい気持ちである
学生時代
赤ん坊が母親を喰う絵を描いたことがあった
腸を、小さな手が掴み取り
口許を真っ赤にしてそれを食べる
これは、カマキリのイメージである
子を産んだ後、母親は産んだ子に食い殺される
つまり、子にとっての最初の食事が、自身の母親なのである
“生きる”という、生命の最も大事な使命の前では、母親の体などただの肉塊に過ぎないのか
親への感謝だの、愛だのは後回し
ただ今を生きるために、母親を食らうのか
いや、だが
それは子の視点だ
母親からしてみれば、これぞまさに究極の愛か
己の肉体を、命ごと捧げる
キリスト並みの捧げっぷりだ
何万の言葉にも勝る、生命力に溢れた愛の表現方法ではないか
むむむ、なるほど
いろんな視点がある関係なのだな
うん、うん
面白い
描こう
と、なった訳である
まあ、誰に見せても
「え〜?何これ?グロい」の一言で終らされてしまったのだが
別に俺は
グロいものが好きなのではない
己が“面白い!”と感じたものに
グロい要素が絡んできただけだ
むしろスプラッタは苦手である
作品が理解されない苦しみ
世間の価値観と解離している悲しみ
それを感じていた俺は、長らく孤独感に苛まれていた
だが、今は違う
もう吹っ切れた
というより、メジャーであることを諦めた
俺の作品は、そういう風には出来ていない
メジャーなものは、普通に好きなのだが
生理的に書けないのだ
これはもう、仕方ない
だから
これから俺は、胸を張って言おう
アングラであると!
俺が面白いと思ったものは
誰がなんと言おうと、面白いのだ!
とりあえずは、それに自信を持とう
俺はアングラ
俺にしか書けない世界