国民として
「お前は感性が敏感だ。ここに有る幸せ等を甘受し得ない。お前の豊かな髪を撫でる男は、お前を放って置くだろう。いやらしい! 朽ちかける銀、だってあのひとはお前と生きる事より綺麗なものを選んだのだから。俺にあずけろよ、人間に堕落し無いよ、優しさに堕ち無い、如何に。なぁ、、客観性に救われてたまるかよ。あんな汎ゆる横着と、冷静な熱情は在るものか。
男は、逆の事を云いお前の幸せなんかありゃしないぜ。」
「君と堅実に生きたいの、君と。と思い、そればかり考えて居る。」
「そんなものは欲求さ、もっと〈希求〉しなければならないよ。希求と云う言葉を求め、国民らしく居ると云うに、彼処で失恋しようがアイデンティティが有る。」
「どうして「私」は闇に紛うのか。」
「罪が無いから。生きる為では無く、壊れないように生活する衰えや、幾許負からの…見通しに依れば、希望など無いし、在るのは「君」との絶望だけだから。」
「腐朽して居る私の姿が、自然と想う。草深い現実に抱かれ、抱いて、雪のように白くなった「私」と君が出逢って居る。」
「欲求が早産まれなのだよ。」