ポエム
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春(ニ)
空寂の春、孤独は繊細に絹紡され
涙と孤独が蓴采にてらてらと光って居た。
プロチゾラムは前の名前をグッドミンと云う。これがまた卓効して居て、幻聴がどれほど煩うても眠れる事が出来る。幻聴と云うのは誠に不思議な世界で、妙に私を快楽的な夢に連れて行く。春草、女の寝そべるシーツ、いちご、それらが今私の客観性の、世の中との態度の繋ぎのロオプで有る。
女友達は微妙な形で有る。女は女に受け身が善しとされ、その方が人が集まるとか、鬼が穏やかだとか、鬼が穏やかならそれを退治する様な華と云う仏も居ないもので、
魂を滅さず、生かさず、こう云う形が女友達で有る。
男と少女は似て居る。花が似合うと云う点で似ている。女友達には、花も、何事も無い。少しばかり互いを警戒しながら、ちょうど逆の方角を見つめ、自分に期待をして、そしり合いの上に成り立つもので、過ごす時間を垂れ流して居るしか出来ないし、不可能だ。
それでも合わせ合って、一生懸命、仲良くなる努力をするのですから、若し、特別な輝きを持つ仲間よりも尊いひとり、なのではないかと思える事もある。詰まり希望や愛よりも、ひどく情けを此の友情は持って居る。そうこうして女たちは繊細さを得て、どこかへ行く。
僕は、自分を失って仕舞いたい。
花を摘む手と、花を貰う人が隣り合って居ると美しい。
21/04/26 11:04更新 / 待作



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