猫の愛
プロチゾラムは前の名前をグッドミンと云う。これがまた卓効して居て、幻聴がどれほど煩うても眠れる事が出来る。幻聴と云うのは誠に不思議な世界で、妙に私を快楽的な夢に連れて行く。春草、女の寝そべるシーツ、いちご、それらが今私の客観性の、世の中との態度の繋ぎのロオプで有る。私は自分を失って仕舞いたい。乞食に為り、毎日をそれなりに苦しみ、豊かに囀る事。脳を素裸にして、世間ヲ冷罵と扇情に見つめ、馬鹿に為って時に踊る事。甲う云った所に私の主観が有るのだが、若さとそれなりの美貌が有る為、此等世の中の善に安く壊れてしまうだろう。世間を冷罵する等と云うのも、此れと云うのは母や月に付けられた傷以上のものを何事も私はまだ生んで居ないので有り、悩み少ないからで有る。未だに幼女なので有る。前述の青空に、孤独はふかふかと綿毛の様な輪郭を取る。保護をされ、法に守られる其の場合、青空は元々私を待ってくれやしない、と分かるのだ。いくらどんなに明るい笑顔をその元に見て、其れはただの青空の敬いで有って、私を迎合しようとして居る姿や光のしるべでは無く、此の冷たい世間のうちに削られてしまう事が残雪の様な其の調べで有るのだ。私は泣く、わんわん泣く。