珈琲と落雁
暗く 深く
あたたかな夜が僕を包む
じめっとした空気が頬を掠め
雨上がりを肌で感じた
ふと 思い出したのは
まっくらな珈琲を淹れ
仏壇の落雁を食べたあの夏の日
異様に甘いあの味は
まだ幼い僕には理解できなかった
受け入れられなかった
気付けばもうコップは空で
ただ僕だけが独りいた
今となっては落雁と珈琲は定番の組み合わせで
老いと成長を感じる
珈琲好きは父の遺伝らしく
記憶の中でいつもくしゃっと笑っていた
お前も珈琲、飲むようになったんだな
なんて 言われてる気がした
瞬間
火が落ちた
線香の香りがつんと鼻をついて
珈琲の匂いを掻き消した
あたたかな夜が僕を包む
じめっとした空気が頬を掠め
雨上がりを肌で感じた
ふと 思い出したのは
まっくらな珈琲を淹れ
仏壇の落雁を食べたあの夏の日
異様に甘いあの味は
まだ幼い僕には理解できなかった
受け入れられなかった
気付けばもうコップは空で
ただ僕だけが独りいた
今となっては落雁と珈琲は定番の組み合わせで
老いと成長を感じる
珈琲好きは父の遺伝らしく
記憶の中でいつもくしゃっと笑っていた
お前も珈琲、飲むようになったんだな
なんて 言われてる気がした
瞬間
火が落ちた
線香の香りがつんと鼻をついて
珈琲の匂いを掻き消した