ポエム
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金木犀
君のズボラなところが好きだった

朝ごはんを食べないところ
遅刻ギリギリに走って来るところ
片付けが苦手なところ

あとは

一年中金木犀の香りがするところ


私が去年の秋にあげた香水

君は春も夏も季節感がなくて
二人で笑ってたね

遊ぶたびに量が減っていって

少しずつ終わりを感じていた

夏の終わりなんてものは明確にはないらしく
私たちが暑いと言ってる間に
日はどんどん短くなる

秋に近づく

皆は芸術だのスポーツだの言ってるが
私にとっての秋は君だけだった

もっとその香りを愛したかったんだ
いつもあったその笑顔を

木の葉が落ちてしまう前に
日が落ちてしまう前に

私は、君のズボラなところが好きだった。
23/08/04 03:33更新 / 白詩



談話室



■作者メッセージ
一年中香水を変えないなお前
って友達に言われた時に思いつきました
こんな恋愛がしたいなぁ

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