遺書
『拝啓』
使い方は知らない。
でも書いとくものなんでしょ。
『これをあなたが読んでいるということは,私はきっと死んだのでしょう。』
ありきたりな始め方。
でもこれが良い。
『私は何で死んだんだろう。
事故? 自殺? 病気? 事件?』
生きてるうちに,自分の死因なんて知れないよね。
『今まで,ごめんなさい。』
自分の人生と,私に関わった人全員への,謝罪。
生きていれば謝ることだらけだ。
『今まで,ありがとう。』
これも本心。
生きていればごめんなさいと同じくらいありがとうもあるんだと,実際書いてみるまで気付かない。
『みなさんお元気で。』
私以外の,全員の健康と幸福を願う。
みんな,幸せになれたら良いのに。
私は,遺書をよく書く。
よく書くものじゃないとわかってはいる。
もはやそれは遺書とすら呼べない。
私は遺書を書いて死ぬ。
死んだ気になる。
生きている間のもやもやを紙に吐き出して,自分の罪と後悔と謝罪と感謝を目に見えるように書き出す。
ちょっとだけ,楽になる。
数時間,数日,数週間に一回,死ぬ。
さっきまでの私とは違う私になって,生き直す。
生き直せたら,良かったのに。
結局すぐに私は私であることに気付く。
でも止められない。
もう癖みたいなものだ。
いつかこの大量の遺書が本物になる時。
私はどんな気持ちになるんだろう。
使い方は知らない。
でも書いとくものなんでしょ。
『これをあなたが読んでいるということは,私はきっと死んだのでしょう。』
ありきたりな始め方。
でもこれが良い。
『私は何で死んだんだろう。
事故? 自殺? 病気? 事件?』
生きてるうちに,自分の死因なんて知れないよね。
『今まで,ごめんなさい。』
自分の人生と,私に関わった人全員への,謝罪。
生きていれば謝ることだらけだ。
『今まで,ありがとう。』
これも本心。
生きていればごめんなさいと同じくらいありがとうもあるんだと,実際書いてみるまで気付かない。
『みなさんお元気で。』
私以外の,全員の健康と幸福を願う。
みんな,幸せになれたら良いのに。
私は,遺書をよく書く。
よく書くものじゃないとわかってはいる。
もはやそれは遺書とすら呼べない。
私は遺書を書いて死ぬ。
死んだ気になる。
生きている間のもやもやを紙に吐き出して,自分の罪と後悔と謝罪と感謝を目に見えるように書き出す。
ちょっとだけ,楽になる。
数時間,数日,数週間に一回,死ぬ。
さっきまでの私とは違う私になって,生き直す。
生き直せたら,良かったのに。
結局すぐに私は私であることに気付く。
でも止められない。
もう癖みたいなものだ。
いつかこの大量の遺書が本物になる時。
私はどんな気持ちになるんだろう。