ポエム
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送る方も送られる方も
終末期は
いつかは来てしまう

その時に
苦しいことや
辛かったことよりも

楽しかったこと
嬉しかったことが
心の隅に
残っていて
流れる川のように
穏やかに過ごしていけたら

それがやがて
送る側にも
伝わってくるのです

ある施設での話
我が儘もなく
食事を
おいしいと言って
召し上がる
シャワーを浴びれば
さっぱりした様子で
薬を塗ると
スーッとして
気持ち良さそうだった

あまり喋らず
ほとんど
座っているか
ベッドに
横になっているだけだった

最初来た頃は
トイレと他人の部屋のドアを
間違えて開けてしまい
住人に怒られても
すみませんと謝るだけ
あんなに酷く
怒らなくてもいいのに
男女の違いだろうか

あれからもずっと
怒った顔は見たことがない
とても優しい
お父さんだったに違いない
息子さんの
スタッフへの対応は
とてもしっかりされていたそうだ

看護師が
二四時間滞在している施設へ
入居となったが
暫くしてから
ご逝去されたと聞いた

穏やかに
過ごされていた日々しか
思い出されない

ご家族も含めて
お互いに
そうであってほしいと
願うばかりだ
23/08/20 16:54更新 / ミルクココア



談話室



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