ポエム
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縛られた道化者
長い睫毛の先にチョンと乗った気だるさ
憂いという艶で塗られた唇は濡れて
細く白い指が弄ぶ髪には適度な卑猥がまとわりつき
見据える瞳には妖と陽とが絡み宿る

いっそ狂おしくなるこの胸は
がんじがらめにされてしまったせいかもしれない
優しくぶつけられる嘲りも
撫でるように触れてくる不実な言葉さえも
縛る鎖には充分に足る

滑稽に見えるだろう堕ちる様は
あなたにとっては極上の喜劇でしかなく
演じる僕には心より欲した悲劇でしかなく
あなたが眺めてくれるだけでも
せめてもの救いと感じるに至っては
もはやただの道化者でしかないだろう

僕が考えるのは
やわらかなあなたのことだけなのだから
19/11/04 11:32更新 / 九丸(ひさまる)



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