ポエム
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深夜2時のホットケーキ
深夜 2時に食べる ホットケーキ
悲しくって 存在していた温もりも
冷めてしまった いつの間に?


両手にフォークを握り
両目に浮かべたものは
はちみつ色のシロップ


君と交わした言の葉は
もう 覚えていないのに
なのに… あれ…?
なんでこんなにも
心はか細く鳴くのだろう


君のこと 本当は
どう思っていたのか
それはね この涙が知ってる
それはさ この痛みが知ってる


最後の別れに言った 言の葉
覚えてる?
「楽しかった」と言う感性
きっとさ これもさ
"嘘" なんだろうよ


この頬に伝う雫は
君に会いたいからじゃない
寂しかったからだ


渇いた鼓動は シロップにして
動かない心を バターで溶かして
止まった時間は 生地に固めた
誰かに 潤して欲しかった
誰かに 動かして欲しかった
誰かに 受け止めて
ほしかったんだよ…

それは 君じゃなくとも
良かったのだろう


ごめんね…

最後の最後まで 騙したまま…
甘くふわふわの手触り
悲しいくらいに おいしい


ごめんね…

最後の最後まで 弱虫で
優しい時間だからこそ
この味わいはズルい…
胸焼けしそうに 熱く苦しいよ


口に含む時にはもう…
恋しいと勘違いしそうなほど
徐々に 優しくとろけゆく
いつから聞こえる雨音(あまおと)も
大粒の涙も 止めどなく流るる


ごめん……ね……ッ

零れ落ちた密はほろ苦い
決して混ざり合わない
卵黄(らんおう) 卵白(らんぱく)のよう
焼き上がったホットケーキと供に
君との関係を切り裂いた




22/02/06 02:46更新 / 風磨



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