ポエム
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ホライズンブルー
地平線には淡い空が見える
いつもそれに憧れてた

いくら走っても、一向にたどり着けない
いくら手を伸ばしても、一向に掴めない
蜃気楼が揺めき、嘲笑うだけ

しだいに走るのも疲れ果て、
歩みを止め、地面にしゃがみこんだ

そこにはなんの変哲もない
石ころが地面に落ちていた
石なんてそこら中に落ちていたけど、
なぜだろう?
その石はとても「大切なモノ」に見えた
彼女の瞳には特別に映ったのだ

その石は今まで彼女が
見落としてきたモノたち
真(しん)の意味で見ようとしなかったモノ

彼女は恐る恐る石を拾った

すると その時―――
石が砕け散って、
胸の中に吸い込まれた

温かい、悲しい、楽しい、
切ない、嬉しい、苦しい
様々な感情が胸の中を駆け巡る

「嗚呼…、どうして今まで
こんな大事な物に
気づけなかったんだろう」

「どうして今まで
こんな大事な物を
見落としてきたんだろう」

今ならあの空にたどり着けそう
気づけた、今なら――

私は立ち上がり、再び走り出した
22/01/11 07:18更新 / 風磨



談話室



■作者メッセージ
早朝なので透明感のある詩を。

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