ポエム
[TOP]
ホットコーヒーふたつ ブラックで

落葉の頃になると

決まって茶房の片隅に
一人の御婦人が座る

言葉無く 二つの湯気を見つめている

当たり前だった二人の道行きに
左胸のポケットの膨らみに

きっと何かを問いかけて
きっと何かに頷いて

思いの丈を見据えては
心に何かが沁みたのか
湯気がかすかに揺れている

風もないのに





25/11/21 20:32更新 / こころのふりこ

■作者メッセージ
もう何年になるだろう
その御婦人が見えなくなって
それでも季節は巡ってゆく
想いを置いたまま

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c