ポエム
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すみれの花

母は紫の帯が好きだった
ような気がする
母は演歌が好きだった
ような気がする
母は鰻が嫌いだと
ごまかしていたような気がする
母は時折
泣いていたような気がする

途切れ途切れの記憶の中で
私の母は出来ている

そして六年
確かな記憶のなかで
私の母は出来ている

母の言葉は壊れていた
それでも
家が欲しいね 家が欲しいね が
口癖だった
私の差し出すスプーンの粥を
嬉しそうに食べていた

そして七日間
穏やかな寝息の中で
どんな夢を見ていたのだろう
言葉もないままに

母は幸せだった
ような気がする
月影に唄うすみれの花に
成ったような気がする

紫の帯を照れながら締めているだろう

ような気がする
26/01/13 13:21更新 / こころのふりこ

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